マンションリフォームマネージャーとは，住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる資格です．主としてマンションの専有部分のリフォームにおいて，居住者の要望を実現するために，専門知識をもって，管理組合や施工者などと協力・調整しながら，居住者に付加価値の高いリフォームを企画・提供するための業務推進能力を証します．
資格の取得には，試験への合格が必要です．試験では学科試験とリフォームの設計図書の作成に関する設計製図試験が問われ，両方に合格することでマンションリフォームマネジャーの称号を使用することができるようになります．
上記以外にも，MRM，マンションRMと称されることがあります．
マンションリフォームマネージャーは，公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが認定する民間資格です．資格制度は1992年に始まり，現在に至っています．
実施団体である住宅リフォーム・紛争処理支援センターは，住宅リフォームの推進や指定住宅紛争処理機関の業務の支援などを行う公益法人です．健全なリフォーム市場の整備の一環として，マンションリフォームマネージャー資格試験を実施しています．
試験（学科・設計製図）に合格した者は，住宅リフォーム・紛争処理支援センターより「マンションリフォームマネージャー」に認定され，その称号が付与されます．資格の登録制度はありません．
試験合格者には，「合格者」と「一部合格者」の区分があります．
国土交通省によるマンション標準管理規約へのコメントによれば，「管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者（第33条および第34条関係）」のひとつとして位置づけられています．
なし
誰でも受験することができる
①学科試験+設計製図試験 14,300円
②学科試験のみ 11,000円
③設計製図試験のみ 11,000円
（すべて税込，令和2年度）
年1回
10月上旬
学科試験：四肢択一（50問，120分）
設計製図試験：マンションリフォームのプランニング（1問，180分）
設計製図試験の課題は，受験申込書の配布と同時に公表
■学科試験
計画・基礎知識 / 法規 規約 制度 / マネジメント / 住戸内各部のリフォーム / 設備のリフォーム
■設計製図試験
マンション専有部分に係るリフォームの設計図書の作成（平面図および留意事項説明等）
学科試験
総得点（250点）の60％以上かつ各科目（50点）の50%以上の得点
設計製図試験
採点結果におけるAランク（マンションのリフォームに係る企画提案等において必要な図面表現力や文章表現力を兼ね備えた能力）
科目合格制度あり
学科試験のみ合格者，設計製図試験のみ合格は，次年度および次々年度の再受験の際，今回合格となった試験科目が免除される．
財団法人日本住宅リフォームセンターとして設立 | |
第1回マンションリフォームマネジャー資格試験を実施 | |
財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターに改組（2012年に公益財団法人へ移行） | |
新試験制度へ移行（学科試験を一本化 学科I・II→学科，製図設計試験の短縮 210分→180分，建築士等による一部学科免除の措置を廃止） |
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの発表によると，2020年度の試験により，これまでの試験合格者数はのべ10,874人（平成4年度研修修了考査合格者を含む）です．
過去5年間に実施されたマンションリフォームマネジャー試験の受験者数，合格者数および合格率の推移を図表に示します．図表中の合格者は，最終合格者を示しています．近年の受験者数は4百人超の水準で安定する傾向にあります．過年度の合格率は年により変動しているものの，おおむね3割を中心に均衡しています．直近2年間は31%台の合格率となっており，今後も同様の傾向を示すものと予想されます．
| 試験回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 407人 | 126人 | 31.0％ |
| 2019年度 | 415人 | 129人 | 31.1％ |
| 2018年度 | 363人 | 92人 | 25.3％ |
| 2017年度 | 482人 | 185人 | 38.4％ |
| 2016年度 | 609人 | 173人 | 28.4％ |
（公財）住宅リフォーム・紛争処理支援センターの発表に基づき作成