たくちたてものとりひきし とうろくこうしゅう
宅地建物取引士 登録講習

宅地建物取引士の登録講習(宅建登録講習)とは,宅建業法に基づく講習のひとつで,国土交通大臣の登録を受けた登録機関により実施されています.宅地建物取引業の従事者を対象として,資質の向上と業務の適正化を図るために必要な基礎的知識の習得を目的として行われます.

講習の修了資格の取得には,講義への主席と修了試験への合格が必要です.修了者には登録講習修了者証明書が発行され,本試験の出願時に一部免除の申し出を行うことで,修了より3年以内に行われる宅建試験において,試験の一部が免除されます.

登録講習は,宅建業に基づいて国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が開講しています.登録されている機関の数は23団体(令和3年3月現在)です.それらの団体のほとんどは宅建試験講座を開講している資格試験対策校で,各団体の開講日程に従って直接申し込みを行い,最寄りの校舎等の指定された会場で受講します.

なお,いずれの登録団体で受講・修了しても,講習修了の効力は全て同じです.

制度の概要

資格の名称

資格名
宅地建物取引士 登録講習
よみ
たくちたてものとりひきし とうろくこうしゅう

上記以外にも,宅建登録講習,登録講習と称されることがあります.

資格の種別

対象者
宅建業従事者のうち,これから宅地建物取引士資格試験を受験しようとする者.
資格種別
指定講習
根拠法令
宅地建物取引業法
講習実施団体
国交省大臣登録の講習実施機関
主管官庁
国土交通省

資格の認定と更新

講習の修了資格の取得には,通信講習およびスクーリングによる講習を受講し.スクーリングの最終日に行われる修了試験に合格することが必要です.

認定方式
講習
登録機関
国交省大臣登録済みの各講習実施機関
有効期間

あり

登録講習修了者証明書は,発行から3年間有効

資格の位置づけ

他資格での免除

講習の修了者は,登録講習の修了試験に合格した日から3年以内に行われる宅地建物取引主任者資格試験において,試験の一部(例年,全50問中の5問)の免除措置を受けることができます.

講習の概要

受講資格
  • 宅地建物取引業の従事者であること(講習の修了まで従事していることが必要)
  • 宅建業法に基づいた従業者証明書の写しを提出すること
受講形態
通信講習(約2ヶ月間)およびスクーリング(全2日間)
受講地
全国各地
講習実施機関
受講募集期間
実施機関により異なる(おおよそスクーリング日の2ヶ月前まで)
カリキュラム
  1. 宅地建物取引業法その他関係法令
  2. 宅地及び建物の取引に係る紛争の防止
  3. 土地の形質,地積,地目及び種別並びに建物の形質,構造及び種別
  4. 宅地及び建物の需給
  5. 宅地及び建物の調査
  6. 宅地及び建物に係る税務
受講料
実施機関により異なる(おおよそ2万円前後)

修了試験の難易度

宅建登録講習の修了試験は講習の効果を判定することが主な目的です.問われる内容もスクーリング時に重点的に言及されるため,当日の講義内容の理解に努めれば,合格はさほど難しくなく,難易度は低いといえます.ただし,スクーリングにおける出席確認は厳密なため,遅刻や欠席には注意が必要です.

お問い合わせ

主管官庁

国土交通省 土地・建設産業局

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/

制度の沿革

(財)不動産流通近代化センターが行う指定講習の修了者に本試験の一部を免除する制度が開始

免除制度の変更(5問免除の対象を登録講習機関が行う講習へ拡大)

資格データ

免除申込者の数

不動産適正取引推進機構によると,2020年度の宅建試験における登録講習修了者としての申込者(免除申込者)の数は51,941人と発表されています.これは,全申込者のうち20.0%に相当します.

凡例項目内訳
免除申込者20%
一般(免除なし)申込者80%
(一財)不動産適正取引推進機構の発表に基づき作成

登録講習機関にて実施されている宅建登録講習の修了者の全数は不明ですが,講習による5問免除の効果は3年間有効ですので,各年の合格率を2割として簡易に試算すると,毎年2万人以上が同講習を受講しているものと推計されます.

受験データ

免除受験者数の推移

過去5年間に実施された宅建試験の全受験者数,免除講習の修了により5問免除の対象となった受験者数(免除受験者数)とその全体に占める免除対象者の割の推移を図表に示します.2020年度の免除受験者数は46,127人で,これは同年の試験における全申込者数の22.6%を占めています.免除制度が現在の登録講習制度へ変更された2005年以降,免除受験者の数,比率ともに年々上昇し,近年では受験者全体の2割以上を占めるようになっています.


試験回受験者数うち免除対象者免除者の割合
2020年度204,25046,12722.6
2019年度220,79751,67123.4
2018年度213,99350,41523.6
2017年度209,35447,48722.7
2016年度198,46344,12322.2

(一財)不動産適正取引推進機構の発表に基づき作成

2020年度は10月試験と12月試験の合計値