けいばいふどうさんとりあつかいしゅにんしゃ
競売不動産取扱主任者

競売不動産取扱主任者とは,不動産競売流通協会による資格です.裁判所の競売不動産は,一般に流通する物件とは手続きが異なり,物件の内覧ができないなど,特有の性質をもつ市場です.そこで競売不動産を正しく消費者へ説明することができるという観点から,入札から明渡に至るまでに必要な知識について試験を行い,その知識や実務能力が一定水準にあることを証し,消費者へ安心を与えます.

資格の取得には,競売不動産取扱主任者試験への合格が必要です.合格後,所定の要件を満たしている者は,資格登録の手続きを行うことで競売不動産取扱主任者証の交付を受けることができます.


受験データ(令和2年度)

受験者数

1,513

合格者数

459

合格率

30.3%

資格のあらまし

資格の名称

資格名
競売不動産取扱主任者
よみ
けいばいふどうさんとりあつかいしゅにんしゃ

資格の種別

資格種別
民間資格
実施団体
(一社)不動産競売流通協会
制度開始年
2011(平成23)年

実施団体である不動産競売流通協会は,不動産事業者向けの不動産競売情報サービスの運営を行っている団体です.競売不動産取扱主任者のほか,任意売却不動産コーディネーター資格の認定も行っています.

資格の認定と更新

競売不動産取扱主任者試験に合格後,不動産競売流通協会へ「競売不動産取扱主任者」として登録し,競売不動産取扱主任者証の交付を受けることができます. なお,資格の登録にあたっては,[宅地建物取引士](/quals/eg/takken)資格試験に合格している必要があります.

認定方式
試験
登録機関
不動産競売流通協会
登録要件
競売不動産取扱主任者試験の合格者で,試験後に行われる競売不動産取扱主任者登録講習の修了している者.
有効期間
あり(5年間)

試験の概要

受験資格

なし

誰でも受験することができる

試験実施団体
一般社団法人 不動産競売流通協会
受験料
9,700円(税込,令和2年度)

受験スケジュール

試験日
12月中旬
試験会場
全国14会場(令和2年度)
試験公告
例年,3月上旬ごろに次年度の試験日程が公式ホームページで公表される.
出願期間
8月上旬〜10月下旬
受験票発送
11月中旬
合格発表
翌1月中旬(例年)

試験の内容

試験方式
マークシート方式
出題形式
四肢択一,全50問,2時間
試験範囲
  1. 不動産競売手続に関する基礎知識
  2. 不動産競売の法理論と実務
  3. 不動産競売を理解する前提となる法律知識
  4. 競売不動産の移転、取得等に関する税金等
法令基準日
試験年の4月1日
合格基準
おおむね満点の70%以上の得点で合格 (令和2年度:35/50点)

お問い合わせ

実施団体

一般社団法人 不動産競売流通協会

https://fkr.or.jp/certification/

制度の沿革

第1回競売不動産取扱主任者試験を実施

受験要件を変更(宅建試験の合格者のみ→受験要件からは削除され,登録時の要件へ変更)

資格データ

有資格者の数

競売不動産流通協会の発表によると,競売不動産取扱主任者の登録者数は2,950名(2020年10月)です.

受験データ

受験者数・合格者数・合格率の推移

過去5年間に実施された競売不動産取扱主任者試験の受験者数,合格者数および合格率の推移を図表に示します.資格制度の始まった2011年から毎年千人以上の受験者を集め,近年は1,500人〜2,000人前後の受験者数となっています.過年度の合格率は40%前後で推移していましたが,ここ数年は30%程度に絞り込まれています.


試験回受験者数合格者数合格率
2020年度1,51345930.3
2019年度1,75554731.2
2018年度1,95879240.4
2017年度2,20189040.4
2016年度1,98575938.2

(一社)不動産競売流通協会の発表に基づき作成

合格者の男女比

競売不動産取扱主任者試験合格者の性別内訳(2018年度の場合)を図表に示します.合格者の男女別の比率は,男性が86%,女性が14%と公表されています.

凡例項目内訳
男性86%
女性14%

(一社)不動産競売流通協会の発表に基づき作成

合格者の年齢

2019年度の競売不動産取扱主任者試験の合格者の平均年齢は,45.2歳です.同年の最高齢の合格者は79歳,最年少は19歳です.

合格点の推移

過去5年間に実施された競売不動産取扱主任者試験の合格基準点(合格に必要な最低点)の推移を図示します.期間中の合格基準点は30〜35点(平均は32.4点)で,合格には満点の75%の得点を確保することが求められています.

(一社)不動産競売流通協会の発表に基づき作成

合格者の職業別内訳

競売不動産取扱主任者試験の合格者の職業別構成比(2019年度)を図に示します.不動産関係の就業者が半数を占めており,金融機関従業者(18%),士業(11%)の順に続いています.合格者のうち宅建士保有または宅建士合格者が80%であり,業務に密着した資格として評価されていると言えます.

凡例業種割合
不動産従業者51%
金融機関従業者18%
士業11%
その他20%

(一社)不動産競売流通協会の発表に基づき作成